４月は、転勤などによる引っ越しが多く、我が社がLPガスを供給しているアパートも、引っ越し、新入居が激しいです

LPガスを閉栓しているアパートのお部屋に、新しく入居される場合つまり開栓前には、供給設備と消費設備の供給開始点検を行い、そしてＬＰガス販売に関する保安事項などを記述した法律に基づく書面を交付することが法律で定められています
供給設備供給開始点検というのは、まずLPガス管に漏れがないかを、自記圧力計により検査します。
そしてその後、ガスを開栓し、適正な圧力でガスが流れているかどうかを検査するのです

次ぎに消費設備の供給開始点検を行います。
消費設備、すなわちお客様が使われるガス器具をすべて調査点検します。
”器具の接続、設置場所（使用場所）には問題がないか？”
　　”正常に燃焼するか？不完全燃焼などはないか？”などを点検します

そして、これらの事を調査用紙に記入し、お客様に確認していただき、署名捺印を頂いてＬＰガスの開栓に至ります

ところが、先日、消費設備の供給開始点検で、こんな不備が発生したのです

 
不備があったのは、ガステーブルコンロです

現在多くのガステーブルコンロには火力の大きいバーナー（ハイカロリーバーナー）と標準バーナーとがあります。
設置する場合はガス台に向かって左右どちらかに壁があるかと思いますが
、
通常、壁と反対側（シンク側）に大バーナーがくるようにします。

なぜなら、壁側に大バーナーが来ると、壁の表面や内部が過熱し火災が発生する場合があるためです。

壁から十分な距離があれば問題無いのですが、今回入居されたお部屋は、コンロの右側がピッタリ壁面にひっついていますので、この場合は、左側に大きいバーナーのくるガステーブルコンロを使用しなければいけません

ところが、お客様が入居する前に、量販店で購入されたガステーブルコンロは、右側に大きいバーナーの付いているタイプだったのです

当然のことながら、このガステーブルコンロの使用は危険ですので、まだ新品であるため、量販店で返品交換していただくことにして頂くため、お客様に量販店へ電話して頂きました

この時の量販店の対応はというと

「梱包を開けて、一度は設置しており、お客様の判断で購入されたものですから、
こちらの不手際でないため応じられません！」というのです

そして、さらに

「このガステーブルコンロは、右側大バーナーは製造していません！」と言って、交換に応じるそぶりを見せません
製造されていない？そんな事はないと思うのですが

さらにお客様は、事情を説明してお願いを続けたため、最終的には

「こちらの落ち度がないものは、基本的に返品は承らないのですが、今回だけ特別に返品に応じます！」

と言われて、返品、返金処理をしていただき、新たに違う品番で、左側大バーナーのガステーブルコンロを購入していただきました


今回の量販店の対応で、問題に思うのは

「ガス器具の購入は、お客様が十分な知識を持って購入するべきことであり、店側には落ち度がない！」
このように断言するところです

お客様より、設置場所の状態などをお聞きして、安全に使用出来るガス器具を提案し、販売する

というのが、ガス器具を販売する業者、店舗の義務ではないでしょうか

「それが出来ない、しないから、安く販売する」という量販店でのガス器具販売、そこで購入される消費者の方が、このような認識をされているでしょうか

ガステーブルコンロだけではなく、湯沸器も量販店で販売されているのです。

陳列棚には、「ガス器具の設置は、ＬＰガス販売店にご相談ください！」と書いてありますが、「このくらい自分で出来る」と購入された方が、自分で湯沸器を設置していたというのが、定期消費設備保安検査で判明することが、多いです

そしてその大半が、「設置不良」です。あわや大事故につながるような設置をしていたケースが多いのです

もし事故が起きたら・・・
ＬＰガス販売店の責任であり、量販店には何の責任もないのでしょうね

最近、何でも売っている量販店、でも、購入する消費者に知識がない、いや販売する量販店の店員にも知識があるとも思えないのに、ガス器具の販売行為を行えるのは、いかがなものでしょうか・・・・

私は、おかしいんじゃないかと思うのですが・・・
皆さんは、どう思われるでしょうか